高知県主要野菜の豆知識
にらにら
(ヒガンバナ科ネギ属)
- 生物種の英名
- Chinese chive
- 学名
- Allium tuberosum
- 原産地
- 中国
にらはその強い香りで、中華料理などでよく使われる食材です。高知県ではハウスや露地での栽培が行われているため、1年中収穫されています。生産量、出荷量ともに全国第1位、全国のおよそ4分の1のにらが高知県から出荷されています。にらは傷みやすい野菜ですが、高知県で鮮度を保つ包装技術が開発されたことにより、遠方へも新鮮な状態でお届けできるようになりました。
注目成分は、β-カロテン、ビタミンK、葉酸
多くの栄養成分を持つにらの注目成分は、β-カロテン、ビタミンK、葉酸です。
にらは体内に発生した活性酸素を除去する働きがあるβ-カロテンを大量に含んでいます。ビタミンKは骨の形成や血液凝固の促進/抑制の働きに関与しています。また、体内でアミノ酸や核酸の合成に補酵素として働く葉酸は野菜類の中では、上位に位置するほどの量を持っています。
トピック
にらは独特の強い香りが特徴ですが、その香りは硫化アリルの一種であるアリシンという成分によるものです。アリシンはビタミンB1の働きを助けるので、ビタミンB1が多い豚肉と一緒に炒めるスタミナ料理「ニラ豚」は栄養価が高くおススメです。
二次機能美味しさ
にらの注目部分
「独特の香り」
「噛み応え」
「強い風味」
新鮮なにらの見分け方
葉先までピンとしているものを選びましょう。葉の色が鮮やかでハリとツヤがあるもの、葉の幅が広く肉厚のものが新鮮です。
にらの香り
にらの香気成分は、メチインやアリインという物質で、にらに含まれる酵素の働きで、香りの成分に変化します。葉先、中間、茎では、葉先にメチインやアリインの量が多いことが分かっています。冷凍や加熱をすることで、メチインの量が増えるので、調理の際は、全体を使いましょう。
- 千田実ほか (2016) ニラの処理条件や保存方法によるメチイン・アリインへの影響について. 函館高専紀要, 51, 11-15.
三次機能機能性
機能性 | 注目物質・概要・参考文献 |
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ニラ抽出物には、肝臓がんに対する抗がん作用、ピロリ菌増殖抑制効果、血小板凝集抑制作用、冷え性の改善、抗酸化、抗菌・抗カビ作用、強壮、疲労回復、コレステロール低下作用など様々な効果が報告されています。
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にらに含まれる香気成分、S-メチルシステインスルフォキシド(SMCS)(メチイン)には、血清コレステロールの低下作用や、HDLコレステロールの上昇作用があることが確認されています。
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機能成分の一つであるアリインは、にらに含まれる酵素アリイナーゼの働きでアリシンに変換されます。アリシンはニンニクの香りの成分で、ビタミンB1と結合して強力なビタミンB1(アリチアミン)へと変わります。アリチアミンは吸収性に優れているため、体内での利用性が高く、疲労回復やエネルギー生産に効果を発揮します。
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