ピーマンピーマン

(ナス科トウガラシ属)

生物種の英名
Sweet peppers
学名
Capsicum annuum
原産地
中南米

高知県では、促成栽培によるピーマンの生産が盛んに行われており、寒い時期にもみずみずしくシャキシャキとした歯ごたえを楽しむことが出来ます。緑のピーマンをさらに30日程度木で完熟させると、赤ピーマンになります。赤ピーマンは緑ピーマンより甘みがあり、苦味や青臭さが少ないのか特徴です。ピーマンは成長段階で異なる味や食感を味わうことができる野菜です。

ピーマン
ピーマン

一次機能栄養

野菜の成分を見てみると…
野菜にはいろいろな栄養成分が含まれています!

文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」から引用

注目成分は、ビタミンC

ビタミンCには、皮膚や粘膜の健康を保ち、体内で発生した過剰な活性酸素を取り除く働きがあります。ピーマンは豊富なビタミンCを備えており、そのビタミンCは加熱調理による影響を受けないことがわかっています。緑のピーマンのビタミンCはレモン果汁の2倍、赤ピーマンでは3倍以上と報告されています。

  • 稲熊隆博 (2002)本音で語るモノづくり「ピーマンをジュースに」, 日本食品工学会誌, 3,4, 113-114

トピック

ピーマンの調理をする際に捨てている種とワタには、多くの栄養素が含まれています。食感が気にならない炒め物や煮物などでは、まるごと使って調理すると、より多くの栄養素を摂取できます。

完熟ピーマン

完熟ピーマン緑のピーマンにも多くの栄養素が含まれていますが、完熟した赤ピーマンになるとビタミンCや、カロテノイド、また胃潰瘍に効果があるとされるビタミン様作用物質のビタミンU(別名キャベジン)などの栄養素が増えることがわかっています。

二次機能美味しさ

ピーマンの注目部分

「ほのかな苦味」
「軽い歯ごたえ」
「鮮やかな色(緑、赤)」
「みずみずしさ」

新鮮なピーマンの見分け方

光沢があり、重いもの
肩に張りがあり、肉厚のもの
切り口が黒く変色していないもの



保存方法

ピーマンの保存に適した温度は10℃前後と言われています。冷やしすぎると、黒く変色するので注意しましょう。また、保存している間に、腐敗につながるエチレンガスを出すため、穴開きのポリ袋での保存が理想的です。種と綿を取って、カットすれば冷凍保管も可能で、縦切りよりも輪切りの方が、軟化が遅いことがわかっています。

  • 阿部一博ほか (1997) 栽培品種ならびに貯蔵温度の異なるカットピーマンの品質変化. 日本食品保蔵科学会誌, 23, 5, 243-251.

三次機能機能性

機能性 注目物質・概要・参考文献
  • 抗糖化作用
    抗酸化作用
肥満により引き起こされる糖尿病および糖化に対する効果を、緑色、黄色、赤色ピーマン抽出液を用いて試験管レベルで調べたところ、黄色ピーマンは血糖値調節に関係するα-グルコシダーゼの阻害活性、黄色ピーマンと赤色ピーマンは脂質の過酸化とフリーラジカルの阻害活性、緑色ピーマンと赤色ピーマンは糖化最終生成物 (AGE) の生成阻害活性が他のピーマンより高いという結果が得られ、色の違いで作用の程度に違いがあることがわかりました。
  • Shukla, S. et al (2016) Antihyperglucolipidaemic and anticarbonyl stress properties in green, yellow and red sweet bell peppers (Capsicum annuum L.), Nat. Prod, Res., 30 (5) , 583-589.
  • 抗酸化作用
生活習慣病などの様々な慢性疾患は、生体内酸化ストレスに起因することが知られており、ピーマンの抽出液にはそれらストレスへの予防、改善に効果を発揮する抗酸化活性が認められています。
  • 石川(高野)祐子ほか (2017) ナス科野菜の酸素ラジカル吸収能(Oxygen radical absorbance capacity)の評価. 農研機構報告食品部門. 1, 87-93.
  • 正岡由紀ほか (2018) 高知県産農産物の機能性および抗酸化能の評価. 高知農技セ研報, 27, 23-26.

*野菜の表記について
このページでは野菜名はひらがな表記、品種名はカタカナ表記としています。また、論文に関係する部分は、論文中で使われている表記にしています。